イラクサの棘
第36章 報告
でも俺、
勢いで先生に付き合いますって
告白しちゃったけど、
ホントに良かったのかな?
コーヒー豆をセットしてくれてる
翔さんは鼻唄まじりでご機嫌な様子。
さっきだって
契約書の作り直しだよなんて言ってみたら
すごく可愛く瞳をまん丸にして正座してくれた。
うん、きっと大丈夫。
先生と話してて思い出した事もあって
そろそろ智のところにも行かなきゃって。
そうだよ!
2人で訪ねて、2人で渡せばいいんだ。
先生にだって付き合うことは伝えたんだし。
翔さんだって
智に恋人だって紹介してくれてもいいって
言ってくれてたもんね。
うん!
翔さんが隣に居てくれるなら
それなら俺も気負わずに智と会える。
「おーい、コーヒーはいたぞ?」
「はーい。」
コーヒーだけは潤よりも上手く淹れる
自信があるんだって言ってる翔さん。
たしかに香りも抜群だし
ものすごく丁寧にミルも扱ってた。
「エチオピア高原の豆だぜ?
ガツンとくる苦味だけど
慣れればクセになるんだ。」
「とっても深みのあるいい香り。
エチオピアも行ったことあるの?」
「まあな、ある部族の女の子に
気に入られてな、危うく婿入りさせ
られそうだった。」
「ねえ、翔さん
あのね、すごい事言ってもいい??」