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イラクサの棘

第37章 オオカミ&オオカミ

翔side


アフタヌーンティーの3段の皿
盛りだくさんの色とりどりのスイーツ。
潤が好きだって言ってるモンブランも
あるだけの種類をお願いしておいた。

ダージリンのマイセンセットにポット
本格的なイングリッシュのティータイムだな。


なかなか降りてこない潤に階段を登って
声をかけて行く。

まあ、もし眠ってたなら
夕陽が沈むのを楽しみながらスイーツタイム
でもかまわないし。 


扉の前に立つと室内は意外なくらい静かで、
声だけかけて立ち去ろうとすると、
すこし焦ったような
うわずった潤の声が俺を呼び止める。
ゆっくりと開く扉
室内にもベランダにも潤の気配がない。



ん?潤は何処だ?


こんもりと盛り上がるベッドの上。
布団の中にすっぽり潜り込んでる潤に
気がつくのに5秒かかった。

「どうしたんだ。潤、眠いの?」

「あ、あのね、俺
スイーツよりも食べたいものがあって。
だから、俺がオオカミに…変身して
翔さんのこと待ってたの。
待ち伏せして、翔さんに噛み付いて
襲いかかりたいなぁって…」

「へえ、待ち伏せしてねぇ。
…フフっずいぶんかわいいオオカミだな。
潤オオカミなら襲われるのも大歓迎だな。」



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