イラクサの棘
第5章 Journey
「パーソナルカラー?」
「うん、一度診断してもらうのも有りかも。
自分が好きで選ぶ色合いとは違ったカラーが
意外に似合ってるカラーなんてことも
有るらしいから。」
東京に戻ったら、俺が翔さんに
似合う洋服を選ぶって約束ができてて
弾む会話の流れで、翔さんに似合う
パーソナルカラーの話題になっていた。
「へえ、なんか面白ろそう。」
「瞳の中の採光に、髪色、肌の色味
それからたしか簡単な性格診断をやってね
結果が出ると思う」
うる覚えの記憶だったことが気恥ずかしくて
グラスのロゼを飲み干す。
「潤のカラーは何色だった?」
「うーん、覚えてないや」
※ ※ ※
好きな色は白と、黒、そして空の色
そう告げると、潤には、もっと高貴な色が似合うな。
ほら、紫とか絶対に潤に似合うぜ。
付き合う前は
どこまでも
さわやかで空の色が似合う彼だと思ってた
告白されて、付き合い始めて
2人で同棲をするようになってからは
どこまでも深い海の蒼さが彼のイメージになった
向こうから好きだと告白されたのに
付き合いだしてからは
俺の方が
溺れるだけ、彼の深海に溺れきっていた。