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イラクサの棘

第41章 再会



「さすがに今日は
女とは思われてないよね?」

「さあ、どうだろうな。
どっちにしたって潤がキレイな事には
変わりないからな。おまえには性別を超越した
人を惹きつける美しさがあるんだよ。」


大真面目な顔で恥ずかし気もないセリフ。
真っ直ぐに見つめてくる翔さんの瞳の
ど真ん中に映るのは少し照れる自分の顔。


「…バカ…でもちょっとうれしい。」

「ちょっとだけかぁ?
潤にサイコーにうれしいって言わせるには
どうすればいいか教えてくれよ。」

「もう、はやくメニュー決めようよ。
あっ、…指…まだ、拭いてない…ぁん…」


テーブルの上で絡ませてくる指
翔さんの左薬指にはまってる指輪に
ふれると、くだらないジェラシーなんて
消え去ってしまう。


「潤、よそ見なんてしてねぇからな。
ちゃんとおまえだけしか見てないよ。」

「拗ねちゃって…ごめんなさい
感情が、直ぐに顔に出ちゃう…から…
もっと気をつけるね。」

「今のままでいいぜ。
いろいろ表情が変わる潤の方が
可愛くて目が離せないからな。
それに直ぐに出ちゃうのは、
感情だけじゃないもんな?」

「…バッーんん…んぁ…んふ…」


伸びてきた右腕で後頭部を押さえられて
キスされるんだって分かってても
俺も逃げたくなかった。

触れ合う唇が離れてしまうのが
名残り惜しくなるほど
何度も翔さんの唇を求めた。





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