イラクサの棘
第41章 再会
相葉くんはどうやらいわゆる見える人。
でも、
本人は至って普通だと思ってるみたいだから
わざわざ掘り下げて訊ねたりはしない。
とにかく全くの第三者の相葉くんから
俺達がお似合いのカップルに見えたこと
それが俺には素直にうれしく思えた。
「はーいお待たせしました。
こちら潤ちゃんのピザを持ちしました。」
「わあ、チーズの香りがすごいね
めっちゃ美味そう!」
「ヤバっ!
俺チーズにも目がないんだったわ。
潤、俺にも一口!」
「もう、ちょっと待ってよ翔さん。
あれ?これは、ジャム?」
「こちらは特製のラベンダージャムです。
すこしピザにのせて食べるとね。
味がほんのり甘じょっぱくってなって
また違う味わいが楽しめるんだよ。
ぜひ試してみてね。」
ジャムのラベルは手描きのかわいらしいイラスト。
MASAKI .comの表記があった。
どうやらこのジャムは雅紀が手作りとして
この店だけで販売してるものらしい。
ラベンダージャム?
これってもしかして…
長野さんのお店で
サプライズで用意してくれてた、
ラベンダーケーキで使ってたやつと同じ?
そんな疑問は相葉くんからの質問で
吹き飛んでしまう。