イラクサの棘
第41章 再会
偶然だったんじゃなくて
むしろ故意にこの店を選んだと、
伝えると潤、おまえは怒り狂うかな?
シナリオ変更が必然なら
ここからは敢えてあいつの筋書きに沿って
いくことにする。
直前で思わぬ出来事で邪魔されて
あたふたするよりも
演者として動向を読み解く方が
遥かに楽でもあるから。
それになにより俺と潤
俺らの関係が思った以上に進展したこと。
両親の別荘に連れて行けたことで
誓い合った永遠の絆が、
潤をよりおだやかで自然に俺に
あまえるような表情を作らせている。
琴瑟相和
2人でいることにこんなにも違和感なく
窮屈さ、不快感、それらの違和感を微塵も
感じることはなくて、
相葉くんの言葉通り
もっと長い期間付き合っていたのかと
感じることもあるくらいだから。
そして元来さみしがりやな潤は
親密な関係になると常にどこか一部分が
くっついていたい性のようで
気が付いたら俺の身体の何処かしらに
触れている事が多い。
だからといって不用意に干渉はしてこない。
愛らしくもあり、いじらしさに凛々しさも
兼ね備える恋人は
おそらくこの先も揺らぐことのない
俺の人生のパートナーになることだろう。