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イラクサの棘

第5章 Journey



「だとしても、対応次第で些細な事で済むか
そうで無いかが別れるだろ?
俺は出来るだけ
最短で最善な策を導きだしたいんだよ。
今回は潤の為に計画したツアーなんだし
おまえに怪我させちゃどうにもなんねぇだろ。」


俺の為に計画してくれたツアー

先生の提案された思いつきの旅
それを具体的に形にしてくれたのは
目の前の翔さんで
行く気なんて全く無かった俺の気持ちを
その気にさせてくれたのは
翔さんの熱心なプレゼンがあったから。


「ありがとう
翔さんのおかげで、大した事にならなかったし。
恥ずかしかったけど、
お姫様抱っこしてる時の翔さん格好良かった。」


「おやおや?
恥ずかしくて誰かさんは
タヌキ寝入りしてたんじゃなかっけ?」

「もう、知らないっ!」

「拗ねるなって。
ほら、軟骨塗ってやるから」

「………うん……」


ごく自然に、こんな短期間で
こんな風に軽口を言い合える関係になれた人なんて
今までいなかった。

小さめの缶の蓋をあけて
人差し指ですくって、俺の太腿にそっと触れて
優しく塗り込めてくれる。





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