テキストサイズ

イラクサの棘

第7章 記念写真

翔side


「じゃあ、これとコレでしょ?
あとお酒はどうする?」

「なんでも飲むし、相当強いぞ。」

「じゃあ地酒とワインでいいかな?」

「おう、ありがとな。
先輩の為にいろいろ選んでくれて。」

「だって、俺も楽しみになってきてるし
ゴリラの先輩に逢えるのがね。」

「おいこら!」



潤は本当にこまやかな優しさと
気遣いを持つタイプ。
岡田先輩ことを俺にいろいろ訊ねてきて
彼なりの好物や、趣向品を考えて選んでくれてる。


あのゴリラ先輩に気遣いなんて無用だけどな?


やっぱり初対面だと緊張させるし
潤の印象がすこしでも良ければ
いや、もちろん良いに決まってるんだけど
わざわざ店員さんに丁寧にラッピングして
くださいねってお願いまでしてくれてた。


岡田先輩からの連絡は想定外だけど
きっかけ作りになるなら
もう一歩潤との距離を踏み込めるだろう。

時には寄り道や、回り道をすることが
意外な結果を招くことだってあるんだ。

あとは
あの悪食の岡田先輩の気まぐれが出て
かわいい潤が狙われ無いように
俺がしっかりガードしとかないとな。



だったらこっちも予防線も張っておくか。

先輩の婚約者の葵さにんに
今から牧場にお邪魔するので
お世話になりますってメッセージを送っておく。


「翔さーん、お土産買ったよぉ
これ持ってくんない?」

両腕いっぱいの紙袋をぶら下げて
でっかい包みを両手で抱えてこんでる。

「めちゃくちゃ買ったなぁ
先輩もビックリだわ。」
 
「だって、翔さんの情報がいろいろ多すぎて
どれか一つになんて決められなかったんだもん。
すっげえ重たいっ」

 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ