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イラクサの棘

第9章 露天風呂

翔side



「先輩、あんまりあいつを揶揄わないでやって
もらえません?ああ見えてかなり繊細だし
いろいろ抱えてるヤツなんですよ。」

「ふーん、
それにしても、ありゃあ壮絶な美人だぞ
よく、そばに居て手を出さずにいられるな。」

「まあ、修行僧になったつもりですね。
ほら、タイの田舎の村で俺ら2人に
僧侶にならないかって
スカウトされたときありましたよね?」

「ああ、僧侶って割にみんな
ぶくぶく太ってやがったけどな。」

「頼りになる先輩のおかげで
いろいろ危なげな旅先からでも
どうにか生きて帰ってこれましたからね。」


顎に手を当てながら神妙な顔つきで 
考え事をする岡田先輩は
こうして見るとなかなの男前に見えてくる。
かなりイケメンゴリラだな。


「うーん、俺の見立てだと、
あれはおそらく普通に健康体だな。
ただ精神面がやや不安定なところと
あまり自分自身に興味も自信も
持っていないところが
多少気になるところではあるかな。」

「相変わらず、するどいっすね。」


そそくさと風呂場から
立ち去った潤が気になり、後を追いかけて
やりたいとの思いはあったが
岡田先輩のするどい観察力と洞察力で
潤のひととなりを聴きたかった。


明日以降
俺の出方と行動について
多少なりともチカラになってもらいてぇし。


「ま、とりあえずだ、
今夜も一応仕込んではおいたぞ。
明日の朝にでも多少反応は出るだろう。
明日は朝から種を蒔いててやる。
あとは翔、おまえがタイミングを見間違えるなよ?」

  
「うっす了解!」




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