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イラクサの棘

第10章 チカヅケナイ



思い切って打ち明けてみようか?
でも、もし
不審な目で見られたり
軽蔑的な眼差しをされたり
この旅行を拒否られたりしたら

そんなのいやだっ!



「2度も温泉に入らせたしな、疲れたろ?
ゆっくり寝ろよ。」


身体に起きてる変化は言い出せないけど
このままなんて嫌だ
翔さんにだけ謝らせるなんて…

「待って翔さん。さっきは…ごめんなさい
俺、ガキみたいに拗ねちゃって…」

「何言ってんだよ、俺のほうが
ガキみたいな真似して横取りしただろ?
ごめんな、潤。」

そっと布団から顔を半分だけ覗かせると
翔さんの掌が伸びてきた。

「じゃあこれで仲直りな。」

「…うん…」

そっと髪にだけ触れて撫でてくれる
でも翔さんの
手のぬくもりは不思議と伝わってくるんだ。
おやすみと告げる眼差しがとても
おだやかに細められるから
なんだか恥ずかしくて、もう一度
布団に潜り直した。

目を閉じて
羊の数を数えながら眠りに落ちていった。






智??

じゃない、誰??

湯舟の中、肩が触れ合う、鼓動が跳ね上がる
白くてまぶしい裸体
伸びてきた逞ましい腕に引き寄せられて
強く抱きしめられてる。
脈拍数、心拍数がひどく乱れる相手は?


…………っ翔さんっ!!


びっしょりと汗ばむ額


まだ、夜明け前
いつもなら絶対に目覚めない早朝



「はあはぁ、夢だよね…ふぅ…よかった…」

小さくつぶやいてから気づく異変

「………うそ?……また??」

下腹部に血流が集中して熱くなって反応していた。

いわゆる朝勃の状態で下着をきつく押し上げている。





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