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イラクサの棘

第12章 to be or not to be



俺はどうなんだろう

あの頃から成長してるのかな



見たくない過去
思い出したくない智との過去の出来事に
背中を向けて
そのくせ忘れられずに
傷ついた被害者意識ばかりを膨らませて
周りに余計な気遣いをさせてきた。



ちゃんと自分でけじめを着けなきゃ

先生が与えてくださった
この機会を無駄にしちゃいけない。


俺自身で
自分勝手なこの呪縛から解放しなきゃ。





「翔さん、そろそろお昼の支度しなきゃ。」

「お、もうそんな時間か?」

「あのね、俺、行くよ。
先生の代理としてちゃんと逢いに行くから。」

「そうか…わかった。
じゃあ週末くらいでどうだ?」

「うん、先生に伝えておいてね。」

「分かったよ。
潤は元気にしてるかとか、ちゃんと飯は
食べさせてるかとか
いろいろうるさかったからなぁ。」

「じゃあ先生に野郎同士の2人旅を
すっごく楽しんでますって伝えといてね。」

「ああ、分かったよ。」



翔さん
俺はあなたと旅をして
すこしだけ今までの自分を
変えたいって思えるようになれてるんだ。


あなたが連れ出してくれたこの旅で
きっと何かを見つけだせるかもしれない。


あなたがくれた踏み出す勇気

だから、今の智に逢いに行けるよ。







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