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イラクサの棘

第13章 波紋



※ ※ ※



あの、すみません
この地図の場所教えてもらえませんか?


天使が空から舞い降りて
俺の事を覗き込んできた

それが
潤と出会った時の第一印象だ。


木漏れ日が差し込む芝生に寝転がりながら、
ぼんやり雲を眺めてた

学内にある広場のはずれ
ベンチも有るけど、天気のいい日は
こうやって寝転がるのが一番のお気に入り

提出課題に取り組んでて
どうにも行き詰まり感が出てくると
こうして
空を見上げるのが日課だった。




へ?俺に?
どこのことだ??

休んでるところごめんなさい
でも…遅れそうなんです
ここすごく広くで、自分がどこにいるのかが
わからなくて…




不安気に揺れる瞳
高校生らしい制服姿をしてる

たぶん学内のオープンキャンパスに参加する
予定の子なんだろう。
えっと男の子だよな??
半袖シャツに、パンツ姿だけど
華奢な身体で、とびきりかわいい顔をしてる
ミニスカート履かせても絶対似合うな。



あのぉ…迷惑なら他の人に…

いや待て待て!
俺が案内してやるから!
ちょい待ってろよっ



その子の腕を掴んでとりあえず
走り出すと、
手当たり次第に道を歩いてる奴らに
聞きまくって、説明会の場所まで
ぎりぎりの時間にたどり着いた






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