イラクサの棘
第13章 波紋
あの、本当ありがとうございました。
それじゃあ、失礼します。
汗がきらきら光って
振り返ってもう一度ぺこりと頭を下げてきた
見つけた
絶対に逃がさないっ!!
説明会が終わる時間まで
出口付近の椅子に座り込んで待ち伏せした。
あ、さっきの…
よっ、おつかれさん。
どう、まだいまから時間ある?
学内の案内してやりたいなぁって思ってさ。
えっと、あの、時間は有ります。
でも、ご迷惑じゃあ…?
俺は、大野智ここの3回生
あ、えっと俺は松本潤って言います。
高校二年生です、ホントは友達と
来る予定だったんですけど、
朝、急に体調悪いって連絡が来て
だから、1人で見学に来たんだす。
そっか、潤くんね?
じゃあ再来年の入学希望生なんだ
はい、大野さんは3回生なら
残念だけど、
俺とは入れ違いに卒業されちゃいますね
いや、それはどうだろうなぁ
ってか、俺2度目の3回生なんだけどな!
ええ?!
おおきな瞳がくりくりのまん丸になって
素直に驚きを隠さない可愛い顔に
まるで吸い寄せられるように見つめ続けた。