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熱情~身体が覚えている恋~

第1章 運命

男の子が、私に話しかけてきた。

「ああ、両親に勧められたの。こっちの学校の方がいいって言うから。」

「へえ。」

その時、先生が教室にやってきた。

ちょっと剥げている小太りのお爺さん先生だ。

「ああ。私も定年退職を間近に控え、3年生の担任ができるとは、思っていなかったよ。」

お爺さん先生に、皆は笑っていた。

「ところで、高島雪音さん。」

「はい。」

返事をすると、お爺さん先生は、じーっと私を見て、ニコッと笑った。

「いい顔をしているね。聞けば、皆と同じ中学だというじゃないか。皆も仲良くしてやるんだよ。」

「はーい。」

皆が一斉に返事をした。

純也が気さくな人が多いって言ってたけれど、本当だった。

新しい学校でのスタート。

いい滑り出しだ。

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