テキストサイズ

熱情~身体が覚えている恋~

第1章 運命

そしてその日の授業は終わり、帰ろうとした時だ。

「雪音ちゃん、一緒に帰ろう。」

りりあちゃんが、私の元へやってきた。

「そうだ、雪音ちゃん。卒業したら進学するの?」

「うん。そのつもり。」

「そっか。私も進学してねって、親に言われているんだ。」

りりあちゃんは、ため息をついた。

「でも私、成績がよくないから、塾に通っていてさ。」

「塾か……」

いつかは、行かなきゃいけないと思っていた塾。

私もそうなるのかな。

「そうだ。雪音ちゃん、同じ塾に通わない?」

「えっ?」

「そうだったら、私嬉しいな。ねえ、そうしよう。」

甘えた声でりりあちゃんは、腕を組んできた。

「うん、お父さんとお母さんに聞いてみないと。」

「そうだね。相談してみて。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ