トライアングルパートナー
第28章 人格の統合
「フフフ……」
にこやかな表情を見せる今田純子は、危機管理対策室の自席に座り世界が愛で満たされた桃源郷を思い描いていた。
「いつか必ず世界は変わる」
純子は声にならない声でつぶやく。まずは、このK区役所をベースにK区を愛で満たす。歴史が刻まれる。
長い間3人に分離していた今田純子は、人格が統合され最強の脳細胞が復活した。互いが嫌いだった人格は、自分の人格と認識し、3人が認め合って統合された。ありのままでいい。あるときは神さまとなり、あるときは悪魔となって自由に生きていい。いい感じに混じり合った。そう思うと、純子は自然にうれしさで笑みがこぼれた。
ここで念を押しておきたい。ありのままでもいい。自然に生きてもいい。でも、人に迷惑を掛けてはいけない。愛することは迷惑ではない。愛されることも迷惑ではない。愛されれば嬉しい。ただ、その愛に答えられない愛もある。愛であれば何でもいいわけでは決してない。
純子は進一のことを考える。彼は今まで幸せだったのだろうか。愛に溢れた昼の人格・純子と性愛に溢れた夜の人格・潤子は、お互いの愛を愛おしいものとして進一に共有させた。進一は純子と潤子による一方的で特殊な愛を受け入れた。受け入れるだけの愛に進一は満足できなかった。ベッドに縛られもだえる進一を純子は気持ちがいいものと錯覚していた。進一の心はそうではなかった。行為が終わると虚しい思いが進一の心を襲った。
その後、進一は小山内慶子を部下に迎え指導する喜びを感じた。進一を始めの頃こそ嫌っていた慶子は、いつかのまにか進一への愛を認識した。愛の観念は人それぞれだ。進一は新しい愛を慶子の中に見つけた。純子は進一が見つけた愛で幸せになることが嬉しいことだった。進一が気持ちいいと感じることをしてあげる。純子も進一に対する本来の奉仕を見つけることができた。潤子は進一と慶子が愛し合うことで喜びを感じた。進一は潤子より慶子の愛で満たせることが分かった。それが純子には喜びだった。
にこやかな表情を見せる今田純子は、危機管理対策室の自席に座り世界が愛で満たされた桃源郷を思い描いていた。
「いつか必ず世界は変わる」
純子は声にならない声でつぶやく。まずは、このK区役所をベースにK区を愛で満たす。歴史が刻まれる。
長い間3人に分離していた今田純子は、人格が統合され最強の脳細胞が復活した。互いが嫌いだった人格は、自分の人格と認識し、3人が認め合って統合された。ありのままでいい。あるときは神さまとなり、あるときは悪魔となって自由に生きていい。いい感じに混じり合った。そう思うと、純子は自然にうれしさで笑みがこぼれた。
ここで念を押しておきたい。ありのままでもいい。自然に生きてもいい。でも、人に迷惑を掛けてはいけない。愛することは迷惑ではない。愛されることも迷惑ではない。愛されれば嬉しい。ただ、その愛に答えられない愛もある。愛であれば何でもいいわけでは決してない。
純子は進一のことを考える。彼は今まで幸せだったのだろうか。愛に溢れた昼の人格・純子と性愛に溢れた夜の人格・潤子は、お互いの愛を愛おしいものとして進一に共有させた。進一は純子と潤子による一方的で特殊な愛を受け入れた。受け入れるだけの愛に進一は満足できなかった。ベッドに縛られもだえる進一を純子は気持ちがいいものと錯覚していた。進一の心はそうではなかった。行為が終わると虚しい思いが進一の心を襲った。
その後、進一は小山内慶子を部下に迎え指導する喜びを感じた。進一を始めの頃こそ嫌っていた慶子は、いつかのまにか進一への愛を認識した。愛の観念は人それぞれだ。進一は新しい愛を慶子の中に見つけた。純子は進一が見つけた愛で幸せになることが嬉しいことだった。進一が気持ちいいと感じることをしてあげる。純子も進一に対する本来の奉仕を見つけることができた。潤子は進一と慶子が愛し合うことで喜びを感じた。進一は潤子より慶子の愛で満たせることが分かった。それが純子には喜びだった。