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　これは仕事の状況でも同じだった。彼女は役所へ入所して以来、着実に公務を遂行し成果を上げることで、重要な仕事を任されていった。任された仕事は確実に成果を上げる彼女は、行動力、洞察力、実行力、統率力、牽引力、観察力、あー書き切れないほどの恵まれた能力の持ち主なのだ。
　彼女は持って生まれた天才的な能力を100％活用して、実績を堅実に積み上げていった。ある種の超能力と言っていい。さらに、容姿、筋力、腕力など強力な肉体を持つことも身体的な能力である。まさに、彼女こそスーパーウーマンだ。特に、彼女の大事な体の一部分の機関の能力は、進一だけが身をもって知るところだ。その彼女の最も特化した能力のすごさ、超一級の能力は、進一だけにしか使われていないから不可思議である。
　これだけ能力があると、とんでもない怪物のようで、恐怖を抱いてしまう。しかし、彼女は心は清く純粋であり、思いやりのある温かな心は周囲に安らぎを与える。自分の実績と成功を人に譲る。謙虚さが奥ゆかしく、彼女の人間的な器の大きさを感じさせる。
　だから、彼女の周囲に集まる人間は、彼女のことを崇め、称え、気が付くと、彼女のことを心の中で幸せの天使と呼んでいた。10年、区政を担当してきた彼女の成果、実績が周囲の評価を高め、彼女の評判が上がっていくのは当然の結果だ。
　彼女の人気に比例し、役所での地位も当然のように上がった。着実な実績と経験を経て、彼女はおととし部長職に最年少で昇格した。若干43歳である。最も若くて美人の部長として庁内職員はもちろんのこと、住民と同席する集会、会議、説明会などで、彼女の存在がマスコミに取り上げられた。彼女は役所で揺るぎない地位を固めていく。若くして重責のポストに就いた彼女の地位をうらやんだり、嫉妬を抱いたりする者は、一人としていなかった。周囲から絶大な信頼を得ていた。人々は彼女を神がかっている、とも言った。