トライアングルパートナー
第7章 小山内慶子
進一は純子からの電話を切ると、慶子のほうをまた見た。慶子は仕事をしないで、彼女も進一を見ていた。笑顔の彼女は片手に持ったスマホを進一に見せるように振っていた。進一があのスマホを見ることができたのが嬉しいようだ。周囲の職員は忙しそうに机に向かっている。
「まったく、何を考えているんだ、仕事中だぞ」
進一は慶子に対し心中でつぶやいていた。
喜んでなおも進一の方を見ている笑顔を振りまく慶子を見ていると、やはり癒やされてしまう。
「いいなぁー あの笑顔」
進一は心中でまたつぶやきながら、スマホのことを考えた。慶子はあおい商店街のあの怪しげなゲーム店で手に入れたに違いない。慶子がリア・ラブゲームと言っていたから同じ店のものだな。店員から詳しいことを聞かないで、一度は店を出てきた。翌日、リア・ラブゲームにどんな面白さがあるのか、気になってしょうがなく、また、ゲーム店に出向いていた。
「ゲームに興味はありません。きょうは、この建物、違法建築ではないか確認のため、職務で訪問しました」
進一が店員に伝えると、彼は笑って言った。
「どこが違法建築ですか? 何を根拠におっしゃられているのか理解に苦しみますね」
進一が外に出るよう促して、店員が玄関を出たところで立ち止まり、上を見上げた。
「ほら、この高さは違反ですか?」
進一が見上げた建物は2階建てだった。
「えぇえっ? 2階建てって、そんなはずはない……」
「この建物は僕の研究所でプログラムの開発に使っています。住居も兼ねてますが、何か不審なことでも?」
「まったく、何を考えているんだ、仕事中だぞ」
進一は慶子に対し心中でつぶやいていた。
喜んでなおも進一の方を見ている笑顔を振りまく慶子を見ていると、やはり癒やされてしまう。
「いいなぁー あの笑顔」
進一は心中でまたつぶやきながら、スマホのことを考えた。慶子はあおい商店街のあの怪しげなゲーム店で手に入れたに違いない。慶子がリア・ラブゲームと言っていたから同じ店のものだな。店員から詳しいことを聞かないで、一度は店を出てきた。翌日、リア・ラブゲームにどんな面白さがあるのか、気になってしょうがなく、また、ゲーム店に出向いていた。
「ゲームに興味はありません。きょうは、この建物、違法建築ではないか確認のため、職務で訪問しました」
進一が店員に伝えると、彼は笑って言った。
「どこが違法建築ですか? 何を根拠におっしゃられているのか理解に苦しみますね」
進一が外に出るよう促して、店員が玄関を出たところで立ち止まり、上を見上げた。
「ほら、この高さは違反ですか?」
進一が見上げた建物は2階建てだった。
「えぇえっ? 2階建てって、そんなはずはない……」
「この建物は僕の研究所でプログラムの開発に使っています。住居も兼ねてますが、何か不審なことでも?」