ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第8章 【栄光の座】
主にイラストを載っける感じ。
際どいのは載せれないけど動画で描いてるところを真上から撮って編集してアップする。
千景ちゃんも蓮くんもノリノリで撮ってくれるから助かる。
自身のSNSでも連ドラ化した宣伝も行った。
キャストも決まってて主演の女優さんは厳しいオーディションを勝ち抜いてきた逸材で本作品がデビュー作となる。
デビューがケイコで大丈夫か!?と心配にもなるが、かなり作品を読み込んでくれているようでほとんどNGもないとか。
濡れ場も一発撮り出来たとか何とか。
「撮影現場、こっそり見に行くか?」と鍵山さんに誘われ、現場激励という形で訪問させて頂いた。
「原作者、タカラアキさん入られまーす!」
えっ!?えっ!?こっそりじゃないじゃん。
モニターに映る俳優さんたちをこっそり見るだけでも良かったのに。
本当に撮影現場まで来てしまった。
黒のニットで肩レース、白の柄付きフレアスカートで現れた私に温かい拍手まで頂いて俳優陣とついに初対面。
ケイコを演じる新人女優さんは涙を浮かべて「大ファンです」と言ってくれた。
台本にサインしていると、脚本家の湯川慎一さんも来てくださった。
「あらぁー!やっぱり良い女じゃない!見た目もパーフェクトね〜鍵山ちゃんが熱上げるのわかるわぁ〜!」
「ちょっと湯川さん、それはあまり言わないでくださいよ」って鍵山さんは頭を掻いている。
これじゃ、2人がデキてるって思われても仕方ないシチュだ。
写真撮影もして、少しだけ演技部分も見させて頂いて、全て忠実に再現されていて深夜ドラマだけある。
有り難い話だ。
こんなにも人の力が加わってひとつひとつのキャラやシーンに命を吹き込んでくれている。
観ながら泣いてしまいそうなほど感動したんだよ。
そっと隣でハンカチを渡され甘えて使わせてもらう。
今後の打ち合わせも含め数時間滞在した。
その後他のスタッフ数名と食事をし、マンション前まで送ってもらった。
パパラッチを警戒して部屋には上がらなかった。
その方が好都合だったかも。
ほろ酔い気分で玄関まで来たらドアの前に人影が。
「メールしたんだけど」
「あ………ごめん、電源切ってた」