ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第8章 【栄光の座】
「仕事?」
「うん、ごめんね、エヘヘ」
「酔ってんな?ったく、俺以外と飲むなっての」
よろけそうになるのを腰から引き寄せられてキーを取り開けてくれた。
「仕事ってあの編集者と?2人で飲んだのか?」
「ん〜?この口はそんな事聴きたい訳じゃないでしょ?」
まだ玄関先だけど首に手を回して抱きついてあげる。
少し背伸びすればすぐ唇が触れ合う距離。
私はつい最近、章介じゃなきゃダメなんだって告白したよね?
失いたくないって気付いた。
だからこうして会いに来てくれたのをもう無碍にはしない。
連絡来てたのは気付かなくて申し訳なかったけど、会えたらもうそんな言い訳どうでも良くて。
「疲れてない?抱いて良いの?」
「ん〜シャワー、一緒に浴びよ?」
「了解」
私たちは元サヤに戻った訳ではない。
セフレに成り下がった訳でもない。
一番大切なパートナーには変わりないが、再婚する気は更々ないのだ。
事実婚とはまた違う気もする。
どう説明すれば良いのかわからない曖昧な関係なんだけど、仕事の次に愛してるって言えば良いのかな。
ズルい、と言われたらそこまで。
何なら、手放したくないから傍に居なさいよって堂々と言っちゃったようなもん。
それを理解してくれて受け入れてくれたのが章介だから。
「何考えてる?他の男じゃないよな?」
シャワーを浴びながら背後で密着し合って繋がる私たち。
指を咥えさせられて甘噛みするの。
「んんっ……本当、私たち歪な関係だなって……」
「悠の事全部支配出来てるのは誰?プライベートは俺しか考えんなよ」
「ハァハァ……はぁん……いっぱい印つけなきゃ忘れちゃうかも」
「仕方ねぇな、ベットの上でつけまくってやるよ」
本当は私、マゾなのかも。
支配されて悦んでる。
だから作品になるのよ。
虐げられた方が底辺を味わえて見える景色がいつもと断然違う。
自ら其処に向かう事で萎んでいた世界が広がるの。
其処に行けた者しかわからない世界観ね。
「ん………ベット行く前にイかせて」
「わかってる」
欲しい時に与えてくれるのが私の最終的に選んだ男。
「ハァハァ……章介っ……イク」