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第1章 0

彼の身体も気だるさがあるのだろう。

肩で息を吐きながら、私を柔く抱きしめる。

「ももちゃん……ありがとう……」

柔らかい声でそう言われふるふると首を振る。彼は私の頭を撫でながら、疲れたのか目を閉じた。

カーテンを締め切っている部屋では、時間の流れが分からずに、私も彼の寝息を聴きながらうとうとと眠りに落ちそうになっていた。

自然と彼の胸にしがみつき、腕の中で寝息を立てながら眠りに落ちてしまったらしい。

緊張と初めての快感で身体が疲れていたのだろう。数分もしないうちに夢の世界へ落ちていった。

次に気づいたのは、身体を這う優しい手。腰や尻、内腿、思わず、淫靡な吐息を漏らしていたかもしれない。

「ん……?凡……さん?? 」

薄目を開けると、彼がにこにこしながら、私の体を撫で回していた。

「おはよう、ももちゃん、身体、大丈夫? 」

優しくそう聞かれ私はこくり、と頷く。彼は安心したように笑うと、私の唇を塞いだ。

ぬるりと自然に舌が入ってくるので私も絡め合う。何度も、何度も口付けを交わしていると、身体が火照り始める。

触れて欲しい、もっと、触れて、キスして。

心の声が聞こえたのか、彼は唇を離すとそのまま、首筋に吸い付いた。

甘い感覚に思わず声が出てしまいそうになる。

彼は、首筋から中々唇を離さない、ちゅーっと吸い付いたまま離れなかった。

数十秒?くらいで彼は離れた。彼は私の首筋をみて、満足気に笑う。

「ももちゃんは、僕のもの、だから。」

顔を赤らめて頷く私に彼は電気をつけると、小さな手鏡を渡してきた。

首筋を見てみるとくっきり分かるキスマーク。

マーキングされたみたいでゾクゾクとしてしまう。

「ももちゃんを狂わせていいのは僕だけだよ? 」

彼の独占欲を見せつけられて私は嬉しくなる。

隠せない位置に付けられたそれを指で触れる。

「ありがとう……ございます。」

自然とお礼の言葉が口に出る。愛しい人のマーキングがこれほど嬉しいものだとは思わなくて。

「ももちゃんの裸見てたらまた、したくなっちゃった」

ぽつり、そう呟かれ、私も同じ気持ちなので口付けで返事を返した。

触れるだけの口付けから、激しく深いキスに変わる。お互いの身体を抱きしめ合いながら、貪り合うように口付けを交わした。

口内と歯をなぞられ、舌先を擽られる。

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