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能里子見聞録

第1章 紺色のワンピース

「能里子のヤツ、口に挿れたんだよ! 嫌だって言っていたのにさ。オレの中に乱暴な感情が芽生えたんだ(何を小説の文章みたいなことを言ってんだか……)。『能里子、どんな味がする?』って訊いたのさ。そうしたら『いじわる……』って答えながら、ちゅぱちゅぱ舐め続けるんだよ。もう、我慢の限界だった。思わず出しちまった。能里子のヤツ、オレのから口を離して戸惑っていた。口の中にオレの精液でいっぱいだからな。だからオレは『飲み込め』って強めに言ったんだ。能里子、オレの顔を見ながら、ごっくんしやがった。そして、『恥ずかしい……』だと!」

 能里子って後輩ちゃん、どうかしているわね。

「能里子はオレの言う通りの事をする女だ、そう確信した。確信すると、不思議なものでさ、オレの中にますます乱暴な気持ちが湧いて来て、能里子を凌辱してやろうって思ったんだ。今の彼女ってさ、日ごろ忙しいから週に一度会えるかどうかなんだ。セックスも月一って感じで、非常にノーマルだ。フェラもクンニも拒むんだよね。だから、いっつも物足りなかった。それがさ、能里子が現れたおかげで、解消出来たのさ」
 
 能里子ちゃんにも、そんな気質があったのかもしれないわね。

 でも、彼女さんも、もう少し太郎君の要求に付き合ってあげても良いと思うんだけどね。このままじゃ、太郎君は能里子ちゃんに乗り換えちゃうかもよ。

「ある日、彼女といる所を能里子に見られたんだ。その後日、能里子と寝ていた時に言われたよ。『わたし、彼女さんに敵わないわ』ってさ。普通なら、それで付き合いは終わりそうなもんだろ? だけど、能里子ってさ、なんて言うか、苛められたがり屋なんだよな。もちろん、肉体的って言うんじゃなくって、精神的にさ。だから、彼女に敵わないって言うのも苛めの一つになっていたらしいんだ。それからかな、能里子は良く彼女の事を聞いて来るようになった。オレが彼女の事を言うと『素敵な人ね』とか『やっぱり敵わないわ』って言うんだよ。そのくせ、オレの言う通りの事をするんだ」

 能里子ちゃん、ちょっと病んでいるのかも…… でも太郎君の話じゃ、能里子ちゃんはそう言う性癖の持ち主らしいのよね。

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