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オトリ捜査

第1章 研修

彩は、怒りが込み上げてきた。今までの努力は何だったのだ。痴漢のオトリになるために頑張ってきたのではない。

「まさか、刑事部に配属されたのもオトリになるため?今回の研修に集まった女性警察官達は、みんな美人でスタイルの良い者揃いだった。ということは、私だけではなく、集まったみんながオトリ候補という訳か!」

彩は、心の中で呟き、ある程度の事情が飲み込めてきた。

だいたい彩が理解したということを読み取った男性警察官は、

「もちろん特殊勤務であるので、給料とは別に多額の報酬は特別会計から出ることになっている。月100万円だ!とりあえずの期限は1年。そして、その後の昇進も約束されている。どうしても嫌だというのならそれも仕方がない。事が事だけに当然断る自由もある。しかしその場合は、刑事部から去ってもらうことになる。考える時間は、1分だ!ただ一つ、オトリになるという決断をしたとしても、適性検査で適性が認められなければ、オトリとしては使えない!その場合は、何もなかった事として、埼玉県警の刑事部に戻ってもらうことになる。さー、これから1分考えてくれ!そして結論を聞かせてくれ!」

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