テキストサイズ

オトリ捜査

第2章 決断、適性検査

彩は、

「決まったわ!1分待つまでもなく、やることに決めました!私、オトリになります。」

彩の気持ちは、怒りから、前向きに変わっていた。刑事部で昇進なんて実際は簡単に出来るものではない。それに報酬も魅力である。たった1年くらいなら我慢もできる。

「昇進、報酬、期限、全て約束してもらえますか?」

彩は、念を押した。

「それは大丈夫だ!上層部の決定だからな!それでは良いんだな?」

「はい!」

彩は、はっきりと答えた。男性警察官は、

「よし!良かった!私も一安心だ!では、適性検査を行おう!それでは石崎くん彼女に準備をさせてくれ!」

石崎とは、先程案内してくれた担当の女性警察官である。石崎は、

「それではこちらへどうぞ!」

石崎はトイレに彩を誘導した。そして個室に入ると、ポケットから何やら薄い紙のシートのような物を取り出し、

「これを陰部に当ててください!」

と言った。彩は、

「これから何をするんですか?」

と聞くと石崎はかいつまんで説明をした。

「痴漢を逮捕するのに一番重要な事は証拠です。証拠がなければ逮捕出来ません。そこで、証拠となるのが、あなたの体液です。今回採取する体液と、痴漢の犯行をした者の手に付着した体液が一致すれば、あなたの陰部を触ったという確実な証拠になりますよね?」

「オトリって陰部まで触らせるんですか?」

と、彩が驚いて聞くと、

「もちろんです!犯人があなたの陰部を触り、指に体液が着かなければ証拠になりませんから。ただお尻を触っただけでは、立証できないのは、あなたもご存知でしょ!」

と石崎が言った。

「ということは、下着に手を入れられるまで我慢しないと……。」

小さな声で彩が言うと、石崎は、

「我慢ではなく誘導するんです。犯人が下着の中へ手を入れて、体液が出るまで!出来るなら私がやりたい任務なんですよ!ただ、私はあなたのように見た目が特別良いわけではないから、痴漢される可能性が低く不適格なんです。私もあなたのように美人なら……」

と言い、自分の陰部を右手で触り、さも残念そうな仕草をした。

しかし石崎は、彩から見て、石崎が言うほど悪い見た目ではない!胸も大きめで、黒渕の眼鏡がキツくは見えるが、なかなかの美人である。

彩は、石崎から紙のシートを受け取った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ