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オトリ捜査

第2章 決断、適性検査

彩は、石崎から紙のシートを受け取ると、

「それでは、陰部に当てますから、少し外で待ってもらえませんか?」

と言うと、石崎は、

「これは検査で、私はその係りですから、適切に装着したかを確認する義務があります。私の見ている前でお願いします。」

彩は、渋々石崎の見ている前で、制服のズボンのベルトを外し、ズボンを下げた。パンツは白のローライズで、股下が浅く、腰骨まで掛かっていない。石崎は、「後から見るとお尻が見えてしまってるくらいね。」と思った。

彩は、パンツも下げると、陰部が見えた。程ほどに毛があり、手入れがされている。女の石崎から見ても綺麗に見える。

石崎は、淡々とした口調で、

「紙のシートには、透明フィルムが付いているので、それを剥がして陰部に当ててください。粘着物質が付いているので、張り付くはずです。粘着性は弱いので、剥がすときも痛くはないですよ。」

と言い、彩は、指示に従いシートを陰部に貼り付けた。

「これからどうするんですか?」

と聞くと、石崎は、

「衣服を整えたら、先程のお部屋に戻ります。」

と言った。

「戻ったらどうするんですか?」

と彩が聞くと、石崎は、

「その後の説明は、緒形さんがすることになっています。」

と言った。緒形とは、先程の男性警察官だと彩は思った。

部屋へ戻ると緒形が待っており、

「椅子に座ってください!」

と言った。彩が座るのを待って、緒形が説明を始めた。

「適性検査の目的は2つ。1つは体液を採取すること。もう1つは、性的に満足した時間を測定すること。つまり、始めてから、俗にいう『イッタ』という状態になった時間までを測定することだ!」

彩は、

「そんな時間を測定する必要があるんですか?」

というと、緒形は、

「痴漢の逮捕は、時間の勝負だ!いつまでも触られているだけで、証拠が取れなきゃ全く意味がない!速くイクという特性がこの任務には非常に重要になってくる。あと、声なども出してはいけない!これは先にいうことになっているから言うが、実際現場で声を出してしまっては他の客などにバレルおそれがあり、失敗に終る可能性がある。その辺を心得て適性検査を受けるように!それでは石崎くん、あれを……。」

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