テキストサイズ

幼なじみとSEX×5 〜ダメだとわかりながら抗えないカラダ〜

第10章 【Chapter10/5人に愛されて……】






先生から言われて京ちゃんが一番真剣に聞いている。
「パパさん、しっかり支えてくれそうね」と笑われて嬉しそう。




そして忠告通り、悪阻はやってきた。




まず匂いがダメ。
ご飯が炊ける匂いは一番無理。
普段何ともなかった匂いがかなり敏感に感じて気持ち悪い。
ずっと船酔いしてる気分。
トイレに何回も行っては吐く…を繰り返した。




妊娠初期は身体が妊娠という状態に慣れていなくてよく起こる生理的変化だ。
ちゃんと本でも読んだ。
これはお腹に赤ちゃんが居る証拠。
赤ちゃんも頑張って必死に命を繋ごうとしてくれている。
いつまでも続く現象ではない。
今だけ耐えるんだ。
皆が通る道だから。




「紘子、何か食べないと」




「ん……要らない、お願い、一人にして」




「わかった、お水、此処に置いておくね」




もはや「ありがとう」すら言えない。
心の中で唱えてる。
ごめんね、弱くてごめん。
この命だけは守るから、今は少しだけそっとしておいて。




寝ても起きても気持ち悪い。
トイレにすら間に合わず洗面器に吐く。
自然と涙が溢れて自分で(泣くな!赤ちゃんも頑張ってる!)と言い聞かせていた。




ラムネやピュレグミ、ファンタグレープなど徐々に口に入れれるようになる。
小さく一口サイズに握ったおにぎりも冷めてからだと2回に分けて食べれた。
それでも気持ち悪さは続く。




部屋の外から聴こえるキッチンでの音にすら胸がムカムカしていた。
何か作るのかと連想してしまう為だ。
何から何まで全部やってくれているのに。
京ちゃんの匂いにすら身体が拒否反応するなんて思いもしなかった。




まるで隔離生活をしているみたいにご飯を置きに来てはすぐ出ていく京ちゃんに申し訳なく思う。
ラップを外して食べようとすると吐く。
一口もつけれない日もあった。




体重は何とかコントロール出来ていた。
入院する一歩手前までいったが持ち堪えた。
本当に長い2ヶ月間を過ごし、仕事は在宅ワークに切り替えてもらい、有給も使って悪阻期間を乗り越えた。




「え、本当に食べれるの?」




「食べたい」




「え、赤ちゃん、大丈夫かな?」




「先生は食べ過ぎなければ良いよって」








ストーリーメニュー

TOPTOPへ