出会い系サイトのレイプマン
第1章 レイプマン登場
ぶざまな姿をすた黒田明を見ていて、田中理沙も反省していた。どこがカッコよくて素敵なんだと、どこが優しくてハンサムな男なんだと、自分自身の錯覚に気がついた。それと同時に隣のトイレに駆け込んでいるうちに、この暗いガソリンスタンドから早く逃げ出そうと思った。灯りもなければ、懐中電灯もない、あるのは窓ガラスからわずかに差し込む月の光のみだった。分厚く敷かれた新聞紙から一歩、足を出して歩けば、ガラスの破片が足に容赦なく刺さってしまう。落ち着け、落ち着け、と自分自身に話しかけた。そうだ、私は黒い靴下と、黒い革靴を履いていたんだっけ、どこにあるんだと月の光を頼りに探したら、なんとか見つけることが出来た。黒い靴を履いた後、靴下を上着の中に入れて、あの男、黒田明がトイレで、うなっているうちに、何か出来ることはないか?と神経をとがらせた。すぐに思いついたのが、あいつのズボンを持ち出してしまうことだった。自分自身も忘れ物があってはならないから、電池切れのスマートフォンと充電器をスカートの中にぶちこんだ。スカートと靴下は手に持つことにした。