墓守は眠らない
第1章 三日月の章
黒い塊の化け物は一瞬揺らぐ。
しかし何事もなかったように再び動きだした。
「無駄じゃ。おぬしの霊力では足止めにもならぬ」
「!」
どうやらおかっぱの頭の少女には、自分の能力を見抜かれているようだ。
父親のやり方を真似て真言を唱えてはみたものの、効力がないのなら意味がない。
「くそっ……」
真面目に修行しなかったことを今更後悔する。しかし目の前には巨大な黒い塊の化け物がいて、鈴音が狙われているという状況は変わらない。なんとかしなければ──!
「……霊力が足りねぇんなら、腕力でぶっ飛ばしてやるよ!」
虎太郎は雄叫びを上げながら、黒い塊の化け物に立ち向かっていった。四方八方を向いていた目玉たちは、一斉に虎太郎に集中する。
黒い塊から何本もの長い手が伸びてきたが、虎太郎はそれを素早く避けて、力の限り殴り付けた。
しかし何事もなかったように再び動きだした。
「無駄じゃ。おぬしの霊力では足止めにもならぬ」
「!」
どうやらおかっぱの頭の少女には、自分の能力を見抜かれているようだ。
父親のやり方を真似て真言を唱えてはみたものの、効力がないのなら意味がない。
「くそっ……」
真面目に修行しなかったことを今更後悔する。しかし目の前には巨大な黒い塊の化け物がいて、鈴音が狙われているという状況は変わらない。なんとかしなければ──!
「……霊力が足りねぇんなら、腕力でぶっ飛ばしてやるよ!」
虎太郎は雄叫びを上げながら、黒い塊の化け物に立ち向かっていった。四方八方を向いていた目玉たちは、一斉に虎太郎に集中する。
黒い塊から何本もの長い手が伸びてきたが、虎太郎はそれを素早く避けて、力の限り殴り付けた。