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墓守は眠らない

第1章 三日月の章

 ぶしゅっ、と目玉が潰れる。
 しかしすぐに複数の手に腕と足を掴まれ、黒い塊の中に引きずりこまれそうになった。


 ドンッ!!


 瞬間、背中に強い衝撃を受けた。誰かと一緒に地面に倒れ込む。そのおかげで危機一髪、黒い塊から逃れることができた。


「バカっ!! 死ぬ気なの!?」


 耳元で怒鳴られキーンとなる。


「鈴音!? なんで戻っ……」

「なんで戻ってきたかわかる!? あんな化け物、あんただけで倒せるわけないじゃない!!」

「!」


 鈴音は虎太郎に怒鳴りながら泣いていた。


「やめてよね、そういうの! 自分の命、粗末にしないで!!」

「……っ……」


 別に死ぬつもりはなかった。
 でも流石に無鉄砲過ぎたと、虎太郎は反省した。


「……ごめん。何か別の方法を探そう」


 鈴音は涙目で頷く。
 



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