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墓守は眠らない

第1章 三日月の章

「それはつまり……わらわにあの化け物を退治してほしいと頼んでおるのか?」

「え? いや……」

「わらわにそんな力はないのじゃ。しかし、あの化け物に宗継(むねつぐ)様のお墓を荒らされては困るのじゃ……」

「宗継様?」


 虎太郎と鈴音は顔を見合わせる。
 どうやら、おかっぱ頭の少女は化け物の仲間ではなさそうだ。
 おかっぱ頭の少女は「困ったのぅ」と腕を組んで考え込んでいる。


「……決めた。どちらかに、宗継様の刀を貸してやるぞよ」

「刀っ!?」


 しかし少女の手元にあるのは万華鏡だけ。
 一体どこにそんな刀が……。


「刀は宗継様の墓に眠っておる。わらわはそれをずっと守っておるのじゃ」

「!」

「ついて参れ」



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