デーモンハント
第3章 契約
森の中に降りたソレルは、抱いていたエルザを下ろした。
ソレルが手を鳴らすと、その手の中に女性用の服が現れる。
「どうぞ、着てください」
ソレルに言われ、エルザはソレルに背を向けながら服を着た。
エルザには少し大きめな服だが、問題なく着れた。
エルザが着替え終えると、ソレルは笑顔になる。
「うん、似合っています」
ソレルに言われ、エルザの顔が赤くなった。
「あ、あの……助けてくれて有難うございます」
エルザは言って、ソレルに頭を下げる。
あのままコートの男に連れて行かれていたら、間違いなく恐ろしい目にあっていただろう。
だからこそ、ソレルには感謝の気持ちがあった。
「いえいえ、契約ですから……それにまだ、ここは悪魔の住む魔界……人間界に戻るまでは安心できませんよ」
そうソレルは言う。
『魔界』と言われ、エルザは不気味な空を見上げた。
悪魔の住む世界に自分は連れて来られたのだと、今になって実感する。
「早く、帰りたい」
エルザが呟くと、ソレルはエルザの頭を優しく撫でた。
「今人間界に帰るための準備をしますから、ちょっとだけ待っていてください」
優しくソレルは言うと、懐から緑色の宝石がついた短剣を取り出す。
そしてその短剣で自分の手のひらを切りつけた。
「そ、ソレルさん?」
驚いてエルザは、ソレルの手を心配するが、ソレルの方はへらっと笑って「大丈夫ですよ」とエルザに返す。
そしてソレルは、滴る自分の血を地面に落として、血が染みた地面に短剣を刺した。
短剣が刺さった所が光り、その光を中心に魔方陣が広がる。
「さ、行きましょう、人間界に」
ソレルは短剣を懐にしまい、エルザの方に怪我をしていない方の手をさしのべた。
エルザは恐る恐るソレルの手を掴むと、ソレルはエルザを抱き寄せる。
そして、二人が魔方陣の上に乗ると、魔方陣は輝きだし、二人を光が包んだ。
眩しくて、エルザは目を閉じる。
その眩しさはすぐに無くなり、エルザはゆっくりと目蓋を持ち上げた。
エルザの目に、見慣れた青い空が映る。
「……人間界に、戻ってきたの?」
ぽつりとエルザが呟くと、ソレルは頷いてエルザから離れた。
「帰りたい……アタシの家に」
そう言ったエルザの目から、涙が一滴、頬を伝う。
安心感と不安が同時に込み上げ、エルザの手は震えた。
ソレルが手を鳴らすと、その手の中に女性用の服が現れる。
「どうぞ、着てください」
ソレルに言われ、エルザはソレルに背を向けながら服を着た。
エルザには少し大きめな服だが、問題なく着れた。
エルザが着替え終えると、ソレルは笑顔になる。
「うん、似合っています」
ソレルに言われ、エルザの顔が赤くなった。
「あ、あの……助けてくれて有難うございます」
エルザは言って、ソレルに頭を下げる。
あのままコートの男に連れて行かれていたら、間違いなく恐ろしい目にあっていただろう。
だからこそ、ソレルには感謝の気持ちがあった。
「いえいえ、契約ですから……それにまだ、ここは悪魔の住む魔界……人間界に戻るまでは安心できませんよ」
そうソレルは言う。
『魔界』と言われ、エルザは不気味な空を見上げた。
悪魔の住む世界に自分は連れて来られたのだと、今になって実感する。
「早く、帰りたい」
エルザが呟くと、ソレルはエルザの頭を優しく撫でた。
「今人間界に帰るための準備をしますから、ちょっとだけ待っていてください」
優しくソレルは言うと、懐から緑色の宝石がついた短剣を取り出す。
そしてその短剣で自分の手のひらを切りつけた。
「そ、ソレルさん?」
驚いてエルザは、ソレルの手を心配するが、ソレルの方はへらっと笑って「大丈夫ですよ」とエルザに返す。
そしてソレルは、滴る自分の血を地面に落として、血が染みた地面に短剣を刺した。
短剣が刺さった所が光り、その光を中心に魔方陣が広がる。
「さ、行きましょう、人間界に」
ソレルは短剣を懐にしまい、エルザの方に怪我をしていない方の手をさしのべた。
エルザは恐る恐るソレルの手を掴むと、ソレルはエルザを抱き寄せる。
そして、二人が魔方陣の上に乗ると、魔方陣は輝きだし、二人を光が包んだ。
眩しくて、エルザは目を閉じる。
その眩しさはすぐに無くなり、エルザはゆっくりと目蓋を持ち上げた。
エルザの目に、見慣れた青い空が映る。
「……人間界に、戻ってきたの?」
ぽつりとエルザが呟くと、ソレルは頷いてエルザから離れた。
「帰りたい……アタシの家に」
そう言ったエルザの目から、涙が一滴、頬を伝う。
安心感と不安が同時に込み上げ、エルザの手は震えた。