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デーモンハント

第3章 契約

ソレルは特に抵抗もせず、大人しく銃を突き付けられていた。

「デーモンハントって……」

その名称には覚えがあった。
悪魔を退治する組織の名前だ。
実在するとは思っていなかったエルザは、驚いてケイシーを見上げる。

「安心しろ、私達が君を保護する」

ケイシーは淡々とした口調で言った。
エルザは戸惑いながら、銃を突き付けられているソレルを見る。

「あ、あの、ケイシーさん、彼は悪い悪魔じゃないんです、アタシを助けてくれたんです」

何とか、物騒な物を下ろして欲しくて、ケイシーに言う。
するとケイシーはソレルを睨むように見た。

「悪魔に良いも悪いも無い、悪魔は生まれた時から悪だ」

低い声でケイシーは言って、ソレルに鋭い眼差しを向ける。

「本当に恩人なんです!信じてください!」

慌ててエルザは声を上げ、両手でケイシーが持つ銃を掴む。
その行動に、ケイシーは眉間にシワを寄せ、苦い顔をする。

「……では、質問をして判断させてもらう」

仕方なしにケイシーが言うと、エルザはほっと息をついた。

(質問をしてくれたらきっと、ソレルさんが危ない悪魔じゃないって、信じてもらえるわ)

そう思い、エルザは銃から手を離す。
ケイシーは銃を下ろしてソレルを見つめた。

「今後、エルザをどうする気だ?」

ケイシーに問い掛けられたソレルはにっこり笑う。

「どうもしませんよ、俺は彼女と契約しましたから、彼女の命令次第です……あ、でも、魔力の補充のためにセックスはしたいですね」

のんびりした口調から飛び出したセックスという言葉に、エルザは顔を赤くする。
悪魔の性奴隷になるのは避けられたと思っていたが、ソレルもまた体を求めて来るのかと、エルザは不安になった。
しかし、不安こそあれど恐怖は無く、むしろソレルが相手ならばいいと、エルザはそう思う。

「やはり下衆か」

ケイシーは舌打ちをして銃を構えた。

「ま、待ってください!ソレルさんは絶対、人間に危害をくわえたりしません!」

そう言って、エルザはソレルとケイシーの間に体を滑り込ませる。

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