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デーモンハント

第3章 契約

ケイシーはそんなエルザを見て、ため息をついた。

「今後、君はどうするつもりなんだ?」

そう聞かれ、エルザははっとする。
今後のことなど、余裕が無くて考えていなかった。
この先、どうするべきなのかと、考えたエルザの頭の中に、殺された両親の姿が浮かぶ。
そして、その両親を殺した悪魔の姿が一緒に浮かんだ。

「アタシは、両親を殺した悪魔を許せません……だから、悪魔を殺します」

そう言ったエルザの目に、鋭い光が宿る。
突然の言葉に、ケイシーは少し驚いたが、すぐに冷静な表情に戻った。

「悪魔を殺す?非力な君がどうやって悪魔と戦うつもりだ?」

ケイシーに聞かれ、エルザは拳を固める。

「どんなことをしても、強くなって、ソレルさんと一緒に悪魔を倒します」

そう言ったエルザの、本気の眼差しを受け止めたケイシーは、ゆっくりと銃を下ろす。
そしてソレルの事を見た。

「悪魔、貴様はそれで良いのか?自分の仲間が殺されるぞ?」

ケイシーがソレルに聞くと、ソレルは頷く。

「俺はエルザさんの命令で動くので、エルザさんが悪魔を殺すというのなら、そうします。それに悪魔同士で仲間意識なんてあんまり無いですしね」

そう言うとソレルは「ははっ」と笑う。
ケイシーは銃を懐にしまうと、エルザの事を見た。

「一応、その悪魔の事は信じよう。しかし、野放しにはできない。だから、君と悪魔は、今後デーモンハントに所属してもらう」

ケイシーに言われ、エルザは笑顔になった。
これでソレルが殺されることは無いだろう。
悪魔を殺すのなら、デーモンハントに所属した方が都合が良いとも思った。

「はい、アタシ……強くなります」

覚悟を決めたエルザの言葉を聞いたケイシーは、無言でエルザを抱き寄せる。

ケイシーの温かな体温を感じた瞬間、エルザの
目に涙が浮かんだ。

「あ、あれ?」

溢れだした涙は止まらず、エルザは戸惑う。

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