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デーモンハント

第4章 主従

数日後、エルザとソレルはデーモンハントの本部に来ていた。
ケイシーから呼び出されたのだ。

「あー、嫌だなぁ、アタシ何かしくじったっけ?」

長い廊下を重たい足取りで進みながら、エルザは頭をくしゃくしゃとする。

「さぁ、どうでしょうね?」

ソレルはのんびりとした口調で返しながらエルザの一歩後ろを歩く。

「いきなり電話してきたと思ったら、本部に来いの一言で切っちゃうし、受付に行ったらケイシーの部屋に行けって言われるし」

深いため息をついて、エルザはがっくりとする。

「直で部屋に呼ばれたって事は、あまり良い話しじゃないってことよねぇ」

とぼとぼと歩くエルザの事を見て、ソレルはよしよしと頭を撫でた。
エルザはソレルを見上げて口を尖らせる。

「ソレルも少しは緊張したら?それとも緊張なんて感情すら無いのかしら?」

皮肉めいた事を言われたソレルはクスリと笑う。

「俺にも緊張するって感情は有りますよ、今だって緊張しています」

そう返したソレルを見ながら、エルザは心の中で。

(嘘つけ、本当は緊張なんてしてないでしょう)

と、悪態をつく。
そして、ケイシーの部屋の前につくと、エルザはドアを二回ノックした。

「エルザです」

声を掛けると、中から「入れ」と返って来る。
その声を聞いたエルザがドアを開け、二人は中に入った。

「何の用?」

机に座り、パソコンのキーボードを打つケイシーに問いかけると、ケイシーは顔を上げて二人を確認する。
ソレルがドアをしっかり閉めたところで、ケイシーは机の上に置いてあった封筒を掴んだ。

「これを」

封筒を差し出され、エルザはケイシーに近付く。
封筒を受け取ると、中から五枚の写真と二枚の紙を取り出す。

五枚の写真の内、四枚には惨殺された死体が写されていて、最後の一枚には仮面が写されていた。
仮面の写真を見て、エルザは眉間にシワを寄せる。

「……これって」

エルザが苦々しい表情をしていると、ケイシーはエルザの事を見つめた。

「その仮面が残されているという事は、お前達が探している悪魔の仕業だろうな」

ケイシーが言うと、エルザは苦い感情を噛み殺して口角を上げる。

「挑発してんのね、ムカつく」

エルザが言うと、ソレルは仮面の写真を覗き込む。

「あー、間違いなく、あの子の家族を殺した悪魔の物ですね」

ソレルが言った。

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