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その仮面は、間違いなくシフォンの家族を殺し、そして彼女を汚した悪魔のものだった。

「死体が見つからないって言うからまさかと思っていたけど、これで確信した。アイツは生きてる！」

写真をくしゃりと握り潰し、エルザは険しい表情になる。

「それから、お前達が数日前に倒した悪魔のことだが」

ケイシーが言ったのを聞き、エルザはケイシーを見た。
真剣な眼差しでケイシーを見つめ、言葉を待つ。

「人間を多く食ったわりには弱かった理由が分かった」

そう言われ、エルザは爬虫類顔の悪魔を思い出す。
悪魔は人間を食えば食うほど強くなるという傾向がある。
しかし、十人以上の人間を食っていたハズの爬虫類顔の悪魔は、思っていたよりずっと弱かった。

その事が気になり、デーモンハントの本部に調査をしてもらっていた。

「弱かった理由は何だったの？」

エルザが問いかけると、ケイシーは腕を組み、椅子の背もたれに体重を預ける。

「あの悪魔は下っ端で、奴の上にもう一匹悪魔がいる。殺された人間の殆どを食っていたのはそいつだ」

そう言われ、エルザとソレルは顔を見合わせた。

「ソレル、気づかなかったの？」

そう聞かれ、ソレルは頭を掻く。

「いやぁ、気づけなかったです、これはとんだ失態ですね」

言って、ソレルは頭を下げた。

「お前達が倒した悪魔の心臓に、奴隷契約の鎖が掛かっていた。それから奴のボスの魔力を追って、居場所を特定した」

ケイシーはそう言い、パソコンのエンターキーを押す。
するとエルザの携帯が震え、エルザは携帯を取り出して画面を見る。

携帯にはメールが来ていて、そのメールには添付されたデータがあった。
そのデータをタップすると、地図が表示される。

「ここに居るのね」

エルザが呟く。
ケイシーは頷き、二人を見た。

「仕事だ、場所は五年前に閉校した学校、ターゲットは何人の人間を食ったか不明だが、できるな？」

そう聞かれ、エルザはうんと頷く。

「行くわよソレル」

エルザに言われ、ソレルはにっこり笑う。
そしてエルザとソレルは部屋から出ていった。