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デーモンハント

第4章 主従

そんな男の反応を見てから、ソレルはエトナの手首を優しく掴む。
そして自分の体から離すと、エトナの方へと振り向いた。

「ダメですよ、彼を大切にしてください」

ソレルはにっこりと笑い、エトナに言う。
エトナは冷や汗で顔を濡らす男を見て、口角を上げた。

「彼はもういいわ、私は貴方の体に興味があるの」

そうエトナが言った瞬間、男は怯えた表情になる。

「え、エトナ様っ!オレを見捨てないでください!オレは、オレにはエトナ様しかいないんです!」

男が叫ぶように言うと、エトナは男の方を見て妖艶に笑う。

「アナタはもう、いらない」

エトナが言った瞬間、男の足下の影から数本の黒い手が現れ、男の体に絡み付いた。
男は叫び声を上げながら、手から逃れようとするが、がっしりと体を掴まれ身動きがとれない。

「エトナ様ぁぁぁ!」

大きな声で男が名を呼んだ直後、黒い手によって男の首が捻られる。
ゴキっ、と音がして、男の体から力が抜けた。
そして影の中に、男の死体が飲み込まれて消える。

「何て事を……」

ソレルが呟くように言うと、エトナはソレルの首に腕を回す。

「そんなこと、欠片も思っていないくせに……人間に合わせているの?」

エトナはそう言ったあと、ソレルの首筋に口付けをした。
噛みちぎられた傷があった場所に残る血を舐めとると、エトナの口内に甘美な味が広がる。

「あら?貴方、美味しいのね」

頬を赤く染めて、エトナは言う。

「あまり嬉しくない言葉ですね」

ソレルは返してからエトナを離そうとするが、エトナは離れる様子が無い。
それどころか豊満な胸をソレルに押し付け、更に血のあとを舐める。

「たまらないわ、貴方が欲しい」

エトナは顔を赤くしながら、熱い吐息を漏らす。
そしてソレルの足に自身の足を絡めた。

「貴方、普通の悪魔じゃないわね……大抵の悪魔は不味くて食べられたものでは無いもの」

エトナはそう言うと、ソレルの唇に自分の唇を重ねる。

「お願い、私を抱いて」

欲情的な表情で、エトナは懇願する。
ソレルは微笑んで、エトナの体を手で押し退けた。

「何で?何で抱いてくれないの?」

今にも泣きそうな声でエトナは問いかける。
ソレルは微笑んだまま、エトナを見た。

「俺、貴女に興味が無いので」

そう言われ、エトナは目を見開く。

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