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デーモンハント

第4章 主従

ソレルはご機嫌な様子で運転をしていた。
助手席でエルザはあくびをする。
まだ眠たかった。

「寝ていていいですよ、安全運転で帰るので、一時間は掛かりますから」
「うん、有難う、寝かせてもらうわ」

エルザはそう返すと、目を閉じる。

「……ねぇソレル」

目を閉じたまま、エルザは呼び掛けた。

「はい?」

ソレルが返事をする。
エルザは少し、言葉を詰まらせて、手をきゅっと握った。

「アタシ達の関係って、主人と下僕なの?」

違う。
そう言って欲しくて、質問をする。

「今はそうですね」

ソレルは穏やかな声で返す。
それを聞いたエルザは、少し笑って。

「今は、って何よ」

エルザは、ただの主従関係であることを否定しないソレルに少しキツく返してしまう。

「いつかは、それ以上の関係になりたいなと、そんな希望があります」

一切言葉に詰まることもなく、ソレルはそう言った。
それを聞いたエルザは顔を赤くする。

「……そっか、じゃあ期待してもいいよね」

呟くように、エルザは言う。

「俺も期待していますよ」

恥ずかしがる素振りも見せずにソレルが言ったのを聞いたエルザは「もう寝る」とだけ返して窓の方に顔を向ける。

ソレルは音楽を流して、車を走らせた。

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