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デーモンハント

第5章 傷

エトナとの戦いから一週間……。
新たな悪魔の情報も無い中、エルザは筋トレをして日々を過ごしていた。

「エールザ」

部屋に顔を出し、声をかけたのはシフォンだ。
彼女は赤い髪をふわりと揺らして、にっこり笑う。

「どうしたの?シフォン?」

ダンベルを下ろして、エルザが返すと、シフォンは跳ねるような軽い足取りでエルザに近付く。

「もうすぐお昼ご飯だよーって、ソレルさんが呼んでたよ」

人懐っこい顔でシフォンが言って、エルザは優しく笑う。

「わかった」

エルザはダンベルを棚に置いて、シフォンと一緒にソレルが待つリビングへと向かう。
シフォンはエルザの腕にしがみつきながら、並んで歩く。

リビングに着いたエルザは、テーブルに並んだ料理を見た。
ハンバーグに温野菜が添えられたものだ。
オニオンスープも用意されている。

「美味しそう」

エルザが言うと、キッチンから出てきたソレルがくすりと笑う。

「シフォンさんが手伝ってくれたんですよ」

ソレルに言われ、エルザは腕から離れたシフォンの方に顔を向けた。

「へぇ、すごいじゃない」

褒められて、シフォンは頬をほんのりと染めながら笑う。

「えへへ、少しだけお手伝いできたよ」

嬉しそうにシフォンが言う。

「ご飯が終わったら買い物に行きましょう」

ソレルに言われ、エルザは頷く。
それを聞いたシフォンは、少し戸惑ったような顔をして、エルザとソレルを交互に見た。

「どうしたの?」

気付いたエルザが聞くと、シフォンは手に力を入れて、ちらりとエルザを見る。

「わ、私も……行こうかなって」

シフォンが言う。
それを聞いたエルザとソレルは顔を見合せてから、シフォンに注目した。

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