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公園に到着したエルザ達は、ベンチに座っていた。
丁度木陰になっているベンチが空いていたので、そこで休憩をすることにした。
公園には人が少なく、今のシフォンにとっては最適な休憩場所だろうとソレルは思う。

「では、二人はここで待っていてください、俺は残りの買い物をして来ますから」

ソレルに言われ、エルザは頷く。

「分かった、待ってる」

エルザの返事を聞いて、ソレルはにこりと笑い、手を軽く振りながら去っていった。

エルザは隣で静かに座るシフォンを見る。
顔色は白くなっていて、いつもなら愛らしい桃色の唇も、どことなく色が雲っているように見えた。

「大丈夫？」

心配してエルザが声を掛けると、シフォンは弱々しく微笑む。

「うん、ごめんなさい、迷惑かけちゃって……来たいって言ったのは私なのに、情けないね」

シフォンはしゅんとしてしまう。

「気にしなくていいよ、焦る必要も無いんだから、ゆっくり克服していきましょう」

エルザは言って、シフォンの背中を優しく撫でた。
撫でられて少し安心したのか、シフォンは口元に笑みを浮かべる。

「そうだ、何か飲み物を買って来るから、ちょっと待ってて」

エルザが立ち上がり、シフォンに微笑みかけた。

「すぐ戻るから」

そう言われ、シフォンは頷く。
エルザは軽く走りながら、公園の入り口にある自販機へと向かった。

離れたエルザの姿を見つめ、シフォンは深呼吸をする。
人が多い所は恐ろしく、体の底から震えるような感覚を抱いていた。
何とか明るく振る舞おうとしたが、膝がガクガクとして、まともに歩けていたのか、不安になる。

(エルザ達に迷惑かけちゃったな)

心の中で呟いて、シフォンははぁ、と息を吐いた。

その時だった。



「みーつけた」



男の声がする。
その声を聞いた瞬間、シフォンの背筋に冷たい感覚が走り、喉がひゅっと音をあげた。