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デーモンハント

第7章 偉大な方

四つ目の悪魔は、両手を広げると、雄叫びを上げる。
その声は腹の底まで響き、エルザの頬を嫌な汗がつたう。
悪魔の雄叫びが途切れた瞬間、悪魔の背後にいくつもの光の球体が現れた。

空中に漂う光の球体は、狙いを定めたようにひゅっと飛んでいく。
そして各々エルザとソレルの方に別れて二人に向かっていった。

エルザに直撃した光の球体は爆発して、エルザは叫び声を上げる。
ソレルの方も、いくつかの光の球体は避けたが、エルザの方に意識が向いた瞬間、光の球体がソレルにぶつかった。
途端に球体は爆発して、ソレルは吹き飛ばされる。

「くっ」

エルザの身体中が痛み、火傷を負った腕で自身を起こす。
顔にも火傷を負い、片目が開かなくなってしまった。

「エルザ、大丈夫ですか?」

起き上がったソレルが聞くと、エルザは険しい表情をしながら。

「大丈夫よ!」

と、返す。
四つ目の悪魔は更に空中に何本もの剣を呼び出し、にっと笑う。

「ここまでだ」

そう言った直後、空中に浮いていた剣がエルザに向かって飛んでいく。

剣がエルザの間近まで来た時、ソレルが滑り込み、体で剣を受け止めた。
何本もの剣がソレルの体を貫き、エルザが驚く。

「ソレル!」
「俺は大丈夫です、エルザ、それよりも早く奴を!」

ソレルに言われ、エルザはキッと四つ目の悪魔を睨む。
そしてエルザは、ソレルの横を駆け抜け、四つ目の悪魔の方に向かう。

悪魔は更に手の中から光の球体を飛ばしてエルザを狙うが、エルザはそれを回避したり、剣で叩き切りながら進んでいく。

爆発が起きても怯まず、向かってくるエルザを見て、四つ目の悪魔は息をのんだ。

そして、とうとうエルザの剣は悪魔の胸を貫く。
悪魔が苦しげに息を吐き出すと、エルザは眉間に皺を寄せて剣を握る手に力を込めた。

「くたばれ!」

エルザは叫び、胸に深々と刺さった剣を上に持ち上げ、胸から頭に向かって切り上げる。
頭を真っ二つにされた悪魔は、傷口から血を吹き出しながら倒れた。

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