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私はこうして淫女になった

第1章 悪夢の処女喪失

夏休み初日。
彼氏は親が行っている企業研修セミナーに参加している。親の教育方針で大学入学は不要とされたが、その代わり企業の実務を叩きこまれているのだ。その研修セミナーは夏休みいっぱい行われる。

「眠(ねむ)…」
昨夜も、私は彼氏を思ってオナニー。もちろん独りでは満足できるはずもなく、私は悶々とした夜を過ごした。

この日は、クラスの親睦行事が予定されていた。
近くにある400メートル級の山へのハイキング。
クラスは盛り上がりに欠けていたので、せめて卒業までの思い出作りとしてクラス委員が計画したのだ。
昼は山へ行き、午後に下山しカラオケ大会という予定。
私は悶々とした気分を晴らしたくて、参加予定だった。

しかし。
私は、参加したことを後悔した。
もう、あちらでイチャイチャ、こちらでイチャイチャ…。そこらじゅうカップルだらけだった。
クラスにこれだけカップルができていたことには驚きだった。ぼっちは、私を含め3人(女子2人、男子1人)だけという…。

「なあ、美奈子ちゃん、俺と付き合おうぜ」
そのぼっちの男子が、声をかけてきた。背は高くイケメンだが、チャラい男子。嫌いなタイプだ。
「私は彼氏がいるから、あの子と付き合えば?」
ともう一人のぼっちの女子を指さした。
「嫌だよ、あんなメガネ。俺、メガネ属性は無いし」

ということで、山登りの道行きは私、もうひとりの女子、そしてその男子シンヤの3人がグループ状態になってしまった。
もうひとりの女子は、私とシンヤから十数歩離れて歩いていたので、私とシンヤが外見上カップルのよう。
同級生のカップルが見かけて
「シンヤ、だいじょうぶか?その子、彼氏いるぞ」
と忠告し、シンヤは
「だいじょうぶじゃないぜー」
と、おどけて見せる。
私は嫌いなタイプの男子に、嫌気がさしている。

山道に入り数分。
空が急に暗くなったと思ったら、雨が滝のように降り注いでいた。
「きゃあああ~」「わああああー」
クラスのカップルたちがてんでバラバラに逃げていた。
私は、シンヤとバンガローのような建物の軒先に雨宿りすることができた。

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