テキストサイズ

シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 63 指先…(8)

 わたしは、乳首を弄っていた左手の人差し指の指先でクリトリスを弄る。

「ん、んん……」
 ようやく、クリトリスと膣壁のダブル責めで空虚感が薄らぎ、ゆっくりと子宮の奥から快感が、絶頂感が湧いてきつつあるのを感じてきた。

 ああ、浩一さん…

 浩一さん…

 脳裏では彼に激しく貫かれている妄想を浮かべているのだが、心の揺らぎのせいなのか、指先だけでの物足りなさからなのか、今イチ集中し切れないでいた。

 そして、不意に、昨夜の絶頂の瞬間にも浮かんでしまったあの伊藤敦子さんの綺麗な透明の目や、以前に何度か浮かべてしまっていた蒼井美冴さんのあの美しい顔が…
 挙げ句には今日の昼間同行し、一日共に仕事をしていた杉山くんの笑顔までもが浮かんできてしまっていたのである。

 ああ、ダメ、イヤ…
 わたしは杉山くんだけは避けたかった。
 そして必死に脳裏で杉山くんを追い払い、彼を、大原浩一さんを、わたしの愛して止まない最愛の男の顔を、その優しい笑顔を浮かべていく。

 ジュボ、ジュブ、ジュボ、ジュププ…

 指先の動きが密着した濡れて湿った音を上げてくる。

 ああ、いい、イキそうかも…

 ようやくクリトリスの快感が、中の空虚感を埋めつつあって、子宮が快感に震えてきたのだ。

 ああ、イキそう…

 あとは更にクリトリスを弄り、指先で中の壁を掻き回しながら子宮の口を刺激すれば…

「あ…ん…っく……」

 そして彼の、浩一さんのあの優しい笑顔を浮かべながら…

「あ…ふ…や…く…っく…っくぅ……」
 
 子宮が、膣が、カラダが小さくフルフルと震えてきた。

 そしてクリトリスが激しく快感に痺れる様に震え、子宮が絶頂感を溢れ出してくる。

「はぅ、あ、や…イク…っくぅぅぅ…」
 子宮の奥から絶頂感の波が溢れ出してきた。

「ああうっ…っくぅぅぅ………」

 わたしは脳裏に浩一さんの笑顔を浮かべながら、いや、その瞬間に…

 なんと、あの…

 今日の昼間、偶然再会してしまった、あの黒歴史の生き証人である…

『三山蓮太郎』本名『三山蓮』の、あの思わせぶりな笑顔が…

「ああっ、やっ、っくぅぅぅ……」

『蓮』の笑顔が、浮かんでしまったのである。

 あぁ、そんな…

 わたしは絶頂感を『蓮』の顔を浮かべながら迎えてしまったのだ。

 あぁぁ…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ