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　78　黒歴史…（13）

　蓮によるカミングアウト…

　それは…

　そのカミングアウトは、最近の大麻樹脂吸引の乱用で慣用状態となりセックスの快感の刺激が低下しつつあって、物足りなさを感じていた時期でのタイミングであった。

　そしてそれは、週に２、３回と蓮の豪邸に通い始め、大麻乱用セックスを重ねてだいたい約１ヶ月半が過ぎた初夏の頃…

　その当時のわたしは、既に、蓮の豪邸の住み込みの家政婦さんにも顔を覚えられ、訪れるとそのまま直に蓮の部屋へと直行していた。

「蓮、来たよ…」
　わたしは蓮の部屋の前で声を掛け、いつもの様にドアを開ける。

　ガチャ…

「あっ…、あれっ…」　

　そのドアを開けると、そこには映画やドラマでよく見掛けている大女優である蓮の母親が立っていたのだ。

「あっ、す、すいません、失礼しました…」
　と、わたしは慌てて頭を下げ、部屋を間違えた事の謝罪をし、慌てて踵を返してドアを閉めようとした。

「ふふ…、ゆかり姫…」
　すると、なんと、そこにいる蓮の母親が、そう声を掛けてきたのである。

「えっ…」
　そしてすぐに、わたしの脳裏に違和感が浮かんできたのだ。

「えっ、あっ、あれっ…」
　その掛けてきた声は紛れもなく男の声であり、いや、蓮の声なのである。

「うふふ、僕だよ…ゆかり姫…」
　すると再び、目の前の蓮の母親がそう言ってきたのだ。

「あ、えっ…」
　まだ、わたしは事態を理解できていなかった。

「僕だよ、蓮だよ…」

「えっ、れ、蓮なの？」

　そうなのだ、目の前には、女装した蓮が立っていたのである。

　その女装した姿は、大女優である母親『三山佳子』に瓜二つであった…

　ストレートのセミロングな黒髪…

　白いブラウスに黒いタイトスカート…

　そこには…

　わたしの目の前には…

　つい最近、テレビドラマで見掛けた女教師役の大女優が立っていたのだ。

　その女装姿は母親そっくりであった…

　いや、瓜二つであった…