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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 99 黒歴史…(34)

「はぁぁぁぁ…………………」

 そんな完全に精を噴き出し尽くした蓮は意識を翔ばしていく…

 わたしもそんな蓮の想像以上の絶頂感と、あまりにもアブノーマル的な興奮、そしてそれまで数度絶頂感を迎えた事、それに加えての大麻酩酊の酔いも助長をし、肉体的より精神的に絶頂の昂ぶりを迎えたのであった。

 やはり蓮は…

 マザコンであったのだ…
 
 いや、マザコンを超えた究極のマザコンといえた…

 いや違う…

 蓮にとっては…

 母親であり…

 大女優であり…

 憧れであり、いや、女性という存在、存在感そのものであったのだ…

 そして母親ではなく愛しい女性であるママなのだ…

 蓮の全ての根源の象徴なのだ…
 と、想われる。

 この時のわたしには、このマザコンさに気持ち悪いとかの違和感や嫌悪感は全く無く、なんとなくなのだが、それまでの蓮との関わりを考えてみると
『さもありなん』的な考えが湧いていたのだ。

 偉大な大女優という存在…

 この六本木という超高級な土地に構えた大きな大邸宅に幼ない頃から比較的一人で、いや、家政婦さんと共に暮らしてきたという寂しい生い立ち…

 それらを鑑みてもこの蓮の異常といえるマザコン度は実は…
『さもありなん』なのだと、わたしには普通に考えられたのである。

 そしてわたしはそんなある意味、蓮のカミングアウトを導き出してしまい、そしてそれを受け入れてしまった…
 そんな存在になってしまったといえたのである。

 それが証拠にこの夜を境にして、こうして蓮に呼ばれ高級大麻樹脂を乱用する代わりに、必ず蓮は圭子に変身をする様になったのであった…


 だが、わたしは…
 基本的に、いや、根本的にはサディスティックな性癖嗜好では無いのである。

 たまたま、あの夜は、興奮と大麻酩酊効果によって最後に蓮と一緒に絶頂感を迎えただけであって、やはり、わたしは普通の女性的なじっくりと愛撫を受け、最後には熱く、硬い怒張に貫かれて絶頂感迎えたい…
 のであり、あの夜以降は昂ぶりさえ感じなくなりつつあったのだ。
 そして夏の終わりの頃には、ただただ、高級な大麻樹脂の誘惑に勝てないだけといえる惰性の関係となっていた。

 だが、そんな夏の終わりに…

 蓮との惰性の関係に終止符を打つ出来事が起きたのである…

 

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