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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 157 指先(10)

 これで三夜連続の自慰行為であった…
 
 だが、一昨夜、昨夜は基本的には彼に、大原浩一本部長に抱かれ、愛されているという想定の、そして大前提の自慰行為であったのだが、昂ぶるにつれ、脳裏には様々なその日の絡みの存在が現れてきたのである。

 もちろん『彼』であり、そして一昨日に偶然再会してしまった『三山蓮』であり、二日間同行した『杉山くん』であったりしたのだが…
 実は、一昨夜に面接をした
『伊藤敦子』さんというモデル並の美しく、そして魅力的な目をした彼女も想い浮かべてしまったのだ。

 彼女を想い浮かべたという事はやはりわたしには、心の奥底深くには、同性愛的な嗜好、思考、願望があるのだろうか?…
 指先でのクリトリス弄りの快感に喘ぎ、溺れながらも、もう一人の冷静なわたし自身がそう考えていた。

「はぁ…ふぅ…あ…んん……」

 膣が、その中の空虚感を憂いてきていた…
 だが、昨夜までの彼との想定の自慰行為の空虚感とは微妙に違っていたのである。

 元々の自慰行為対象の想定の男女の違いの差なのだろうか?…

 昨夜までは、このクリトリスの快感の昂ぶりと共にこの膣の空虚感が狂おしい程に切なく、憂い、中を埋めたくて迷わず指先二本を挿入れたのだが、いや、挿入れずにはいられなかった、そして、指先二本では今イチ満足できず、思わずに元夫の遺産というべき禁断のバイブレーターまでをも使おうとまで考えたものだったのだが…
 なぜか今夜の空虚感は、そこまで狂おしくはないのだ。

 男にはアレ、つまりチンポという中を埋められる肉の棒があるから、そしてそのチンポこそが、男の存在感、存在意義を主張してくるせいなのであろうか…
 対して女にはそのチンポに値する存在は、初めから無い。

そんな無意識の、わたしの深層心理からの違いなのだろうか?…

 そして女にはチンポが無いから基本的には指先か、道具でしか中を埋められない事を理解しているから…
 だから、同性を、いや、美冴さんを想定しての自慰行為にはそこまでの切望感が湧いてこないのであろうか?

 だが、空虚感はあった…


 だから挿入れたいし、挿入れて欲しいし、やはり、何かが物足りないのだ。

「あ…んん…」

 そしてわたしは欲情の切望のままに指先二本を挿入れていく…






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