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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 250 『夢の国』に融ける(9)

 所詮は…

 親の七光りなのだ…


「はい、凄いですよぉ、わたし、昔、旅行業界にいたから、よく分かるんです」
 と、美冴さんはそう話してきた。


 確かに凄いかも…

 だが、わたしにとっては過去の消し去りたい『黒歴史』の一つではある。


 そして、こんな親の七光りを利用して今、現在…

 こうして活躍している『黒歴史』の遺産といえる輩はゴマンと存在しており…

 ただ、それを利用しただけなのだが…
 この美冴さんには、こんな『黒歴史』のカラクリは、絶対に話せない。


 ヤバい、ミッチーにバレたかぁ…

 だが、内心は、バレるとは想ってはいたのだ…

 ま、仕方がないか…

 向こうも、ミッチーも、そう簡単に、易々とは昔の過去話しはしては来ないであろう…
 ひとまずは、美冴さんにさえバレなければ良いのだ。

「あっ、そうゆかりさん…」

「え?…」

「シャワーを浴びませんか?…
 わたし、ヤバいくらいに汗掻いちゃってぇ…」

 確かに、いくら夜とはいえ、たっぷりと汗を掻いてしまい、ベタついていた…


「うん、そうよね…シャワー浴びましょうか…」

 このスウィートルームのバスルームは…

 ジャクジーの…

 ガラス張りの…

 夜の『夢の国』の魔法のライトアップが見えるのだ…

 そう…
 
『夢の国』の魔法に融けてしまう…

 いや、ノボせてしまうかもしれない…





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