
シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
24 秘書の言葉…
『あ、うん、今日の午後から明日一日いっぱいまで越前屋くんを貸してくれないかな?』
彼は、大原常務はそう言ってきた。
一日半か、ま、健太がいるし、それに新しく総合職にした優秀な伊藤敦子さん
もいるから大丈夫だろう…
「はい、うーん、一日半なら大丈夫です…
じゃあ、さっそく午後イチから行かせますね…」
わたしはそう返事をする。
「あぁ、よろしく頼むよ」
そして電話を切ろうとした時であった…
ガチャ…
受話器に切り替えの音が聞こえ…
『あ、佐々木ゆかり新プロジェクト室長様ですね、わたくし本日付けで大原常務様の専属秘書に就任しました…
松下律子と申します、今後ともよろしくお願い致します…』
と…
秘書さんがいきなり、電話の切り際に割り込んで、そう言ってきたのである。
「え、あ、は、はい、こちらこそ…」
『じゃあ、失礼します…』
え?…
な、なんだ?…
秘書さんがいったい…
わたしはその秘書の言葉に、咄嗟に、無条件反射的にはそう応えたのだが…
わざわざそんな言葉を切り際に言ってくるのだろうか?
と、なんとなく、いや、ザワザワと心の騒めきを感じてしまっていた。
え?…
松下…律子?…
え、知り合いか?…
いや、名前に記憶は全く無い…
ただのお節介、いや、お節介ではない、出しゃばりか?…
きっと彼女も、秘書の松下律子さんも今日からで、初日だから、張り切っているのか?…
『……よろしくお願いします…』
わたしの脳裏に、いや、耳の中に…
心地よい彼女の独特の、そう、甘い、声音のトーンが…
残響の様に残っていた。
そして、急に、心に、いや、脳裏に…
『当て付け』?…
そんな単語が浮かんできたのだ。
あ、いや、違う…
張り合い?…
張り合って?
わたしに対しての張り合いなのか?
わたしが彼の、大原常務の彼女、女だと知っている?
いや、それはあり得ない…
じゃ、なんだろうか、この違和感は?
ザワザワと心の騒めきが止まらない…
秘書…
松下律子…
誰だ?
誰だろうか?…
『あ、うん、今日の午後から明日一日いっぱいまで越前屋くんを貸してくれないかな?』
彼は、大原常務はそう言ってきた。
一日半か、ま、健太がいるし、それに新しく総合職にした優秀な伊藤敦子さん
もいるから大丈夫だろう…
「はい、うーん、一日半なら大丈夫です…
じゃあ、さっそく午後イチから行かせますね…」
わたしはそう返事をする。
「あぁ、よろしく頼むよ」
そして電話を切ろうとした時であった…
ガチャ…
受話器に切り替えの音が聞こえ…
『あ、佐々木ゆかり新プロジェクト室長様ですね、わたくし本日付けで大原常務様の専属秘書に就任しました…
松下律子と申します、今後ともよろしくお願い致します…』
と…
秘書さんがいきなり、電話の切り際に割り込んで、そう言ってきたのである。
「え、あ、は、はい、こちらこそ…」
『じゃあ、失礼します…』
え?…
な、なんだ?…
秘書さんがいったい…
わたしはその秘書の言葉に、咄嗟に、無条件反射的にはそう応えたのだが…
わざわざそんな言葉を切り際に言ってくるのだろうか?
と、なんとなく、いや、ザワザワと心の騒めきを感じてしまっていた。
え?…
松下…律子?…
え、知り合いか?…
いや、名前に記憶は全く無い…
ただのお節介、いや、お節介ではない、出しゃばりか?…
きっと彼女も、秘書の松下律子さんも今日からで、初日だから、張り切っているのか?…
『……よろしくお願いします…』
わたしの脳裏に、いや、耳の中に…
心地よい彼女の独特の、そう、甘い、声音のトーンが…
残響の様に残っていた。
そして、急に、心に、いや、脳裏に…
『当て付け』?…
そんな単語が浮かんできたのだ。
あ、いや、違う…
張り合い?…
張り合って?
わたしに対しての張り合いなのか?
わたしが彼の、大原常務の彼女、女だと知っている?
いや、それはあり得ない…
じゃ、なんだろうか、この違和感は?
ザワザワと心の騒めきが止まらない…
秘書…
松下律子…
誰だ?
誰だろうか?…
