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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 75 律子の魅惑(3)

 そして律子に『アナタ』と呼ばれ…
 更に、私自身の昂ぶりが増してくる。

「あ、アナタ、や、いや…」
 律子がそう呟いた。

「………」
 だが私は、黙って舌先をゆっくりと脚首へと這わせていく。

「あん、き、今日、き、今日は、汗を、沢山掻いてしまったから…」
 
 なるほど…
 確かに、今日から律子にとっても初めての秘書という、そして、いつもの銀座のクラブホステスとは違い、朝からの仕事であるから、それに真夏で、いくらエアコンが効いているとしてもかなり暑かった。

「うん、構わないさ」
 私は、敢えて、そう囁く。

「え、あ、で、でも、や、んん…」
 律子は脚を震わせながらも、そう抗いの声を漏らしてくる。

「き、キミの、律子の、この汗の香りがまたいいんだよ」
 これは半分は本気であった。

 ストッキングフェチにとって、激臭でなければ、この好きな女の汗の匂いは最高のフレグランスの香りに、いや、媚薬に相当するのだ…

「あぁ、い、ぃゃぁ、そんなぁぁ」
 小さな声でそう喘ぐ。

 律子だってそうであろう…
 確か、この前の横浜の夜では、シャワーも浴びない私の体臭を『甘い』と囁き、そして私自身をも愛おしそうに舐め、しゃぶってきたのだから。

 好きな相手の香り、匂い、体臭は…
 ある意味、媚薬なのだ。

「あ、んん、や、ん、で、でもぉ」
 私はそんな律子の抗いの喘ぎを゙無視し、更に舌先を゙這わせ、脚首から脚先に向けて舐めていく。

「ん、やん、ぁん、ぁ、じ、じゃ、せ、せめて…
 せめて、ベッドへ…」
 すると律子がそう囁いてきた。

「あっ、ん?」

 そうなのだ…

 確かに、興奮の昂ぶりの勢いのせいもあって…

 ここは、まだ、律子のマンションの玄関の上り框の上なのである。
 

 それに…

 まだお互いに…

 靴、ヒールさえも脱いではいないのだ…





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