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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 167 面接…

 私は久しぶりに
『新規プロジェクト準備室』を訪れると…
 そのメンバーの皆が一斉に私の常務就任の祝いの言葉を言ってきてくれ、すっかり恥ずかしく、舞い上がりそうになってしまった。

 そしてそのタイミングで、佐々木ゆかり室長が…
「大原常務、彼女が…」
 と、声を掛けてきて…
 
「初めまして、この度お世話になることになりました伊藤敦子です、よろしくお願いします」
 深々とお辞儀をして挨拶をしてきたのだ。

「あ、うん、佐々木くんから訊いているよ、よろしく頼む…」

 そして彼女が頭を上げ、顔を見た瞬間に…
 私は、つい、ドキンっと高鳴ってしまったのだ。

 なぜならば…

 あまりにも…

 いや、いたずらに…

 美人、美人過ぎたから…

 そして…

 一見、律子に…

 今や私の秘書となった松下律子に…

 雰囲気や佇まいが、どことなく似ているから。

 その、目の前にいる彼女、伊藤敦子さんも、律子よりは弱冠背は低いみたいであるがスラリとした、小さい小顔のモデル並みの八頭身な体型で…

 少し刈り上げているようだが、同じベリーショートのヘアスタイル…

 そしてスーツから伸びたスラリとした脚が、いや、ストッキング脚が美しい…

 思わず一瞬にして上から下まで見てしまった程であったのだ。

 だが私は、一瞬、ゆかりの厳しい視線を感じ、慌てて目を逸らした…

「じゃあ、とりあえず部長室で面接をお願いします」
 そしてそんな、そう、業務的なゆかりの声に少しビビりながら…
 導きのままに部長室へと向かう。

 そして三人で部長室へと歩いていくと…

「大原くん、あ、ごめん、大原常務おめでとう」
 と、コールセンター部主任で同期の、笠原響子主任が声を掛けてきた。

「あ、笠原さん、そんな大袈裟なぁ」

「ええ、大袈裟じゃなくて、凄いわよ…
 同期一番の出世頭なんだからぁ」

「いや、恥ずかしいなぁ…」
 そんな彼女の言葉に私はそくさくと部長室へ逃げる様に入ってき…
 部長室の小さなソファに対面で座り、面接を始めた。

 対面の彼女、伊藤敦子さんを改めて見ると…
 本当に美人、いや、美人過ぎであった。

 ホントにこの『プロジェクト準備室』は…

 いたずらに美人が多すぎる…

「ふぅぅ…」

 私は思わず、そんなため息を漏らしてしまう…




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