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シャイニーストッキング

第13章 もつれるストッキング2     佐々木ゆかり

 以前のスキャンダル…

 それは共演した新人女優との恋愛問題であり、そしてそれを全くもって隠さず、否定せず、いや、コメントもせず、そしてそんなゴシップ専門雑誌で載りまくり…
 しかし、全く無視、コメントも釈明記者会見等もせず。

 だが、お相手の女優は新人が故に…
 消えていってしまった。

「ま、ヤツの場合は母親が、あの偉大な大女優の『三山佳子』っていう母親が全部フォローし、ケツ持ちするからなぁ…」

 そう、蓮は…
 いや、母親の存在が蓮の全てなんだ。

「あ、さっきもゆかりお嬢さんの事を訊いてきたよ…」

「え?」

 まさか、稲葉ディレクターにも訊いてきたのか?…

「で?…」

「いや、さすがに俺もそこんところはメリハリはあるつもりだからさぁ…
 知らん顔したよ…」

「あ、ありがとう…」
 さすがに、一応、お礼を伝える。

「さっき受付で偶然会っちゃったのよね…
 それにお盆前に赤坂のテレビ局出偶然会っちゃって…
 そこで電話番号を聞いたらしく、しつこく電話してきてさぁ…」

「うわぁ、さすが蓮クンだわ…
 あ、そういえばあの頃、蓮クンと一時期仲良かったみたいだもんなぁ…」
 と、昔の記憶を遡り、そうからかい気味に言ってきた。

「えっ」
 だから、わたしは精一杯、目力を゙込めて、彼を睨み…
「余計な事言わないでよねっ」
 と、クギを刺す。

「あ、う、うん、もちろんだよ」
 まだかろうじて、わたしの方がパワーバランスは有利みたいであった。

 そして…

「あ、そう、そういえば…
昔のお嬢さんね相方だった『ロッキー』あの『轟』が日本、東京に戻ってきているぜ」

「えっ、ろ、ロッキーが?」

 わたしは突然の懐かしい名前に…

 そして、更に触れられたくない過去の男の名前に…

 動揺と驚きの声を漏らしてしまう。

 ロッキー…

 轟勇斗…

 忘れられない男の一人…
    (1196P〜参照)

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